Kindle Unlimited対象の中に、読み応えのあるマンガはないものか…と探していて、とっても今更感があるけど読んだ。
(先がどうなるのか気になって、全9巻、一日で読破…)
かなり売れたし、(たしか)ドラマにもなったマンガ『ブラックジャックによろしく』の続編。
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ちなみに無印の『ブラックジャックによろしく』は、情熱を持ってるけどいまいち頼りない研修医・斉藤英二郎が、総合病院のいろんな科をまわっていき、医療現場の苦しさとほんの少しの希望を知っていく話。
※ちなみに、無印の『ブラックジャックによろしく』は全話無料で読める。
(どちらかというと、画像を使いたい人向けのページですが一応…↓)
Kindleで読みたい方向け。無印もKindle Unlimitedに入ってるよ↓
私は自分の肉親が末期がんだとわかったとき、これを読んでおいてよかったって思った、心構えを少しだけ予習できたから。このような物語で、一般に「青天の霹靂」と呼ばれるようなできごとを、少しだけでも自分事として知っておくことはものすごく意味があると思う。医療は日々進化してるから、今となっては古くなっている情報もあるとは思うけど、「当事者になったら、どういう日々に直面することになるのか?」、その空気感は、あまり変わりないと思う。
だいぶ前に読んだので記憶が遠いけれど、当直のアルバイトの話と新生児集中治療室の話も印象的だった。
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無印の話が長くなってしまったけど、「新」は、登場人物は引き継ぎつつ、臓器移植に焦点を当てて物語が進む。
脳死を死と考えるかは時代や文化によって変わること、脳死判定された人以外で(血縁者以外の)他者から臓器移植を受けることを解禁してしまうと生じるであろう問題点、移植を受けた人が感じる罪悪感など…。
私はこのマンガを読んで、運転免許証の臓器提供しますよ云々のところを、はじめてまじめに読んで、記入した。
これまで脳死判定されたあとの臓器移植についてぼんやりした認識しかなくて、母に「提供することにしちゃったら、遺族のもとに遺体が返ってくるまで時間がかかっちゃうよ、遺族は嫌だと思う」みたいなことを言われたために「そうか…じゃあ提供するのちょっと抵抗あるかも…」と思っていたけど。こういう手順で脳死判定されて、こういう手順で臓器等が提供される、ということがマンガの中に詳細に描かれているので、(少し古いマンガだから、今も同じ感じかはわからないけど…)、私の懸念は一気に解消したのであった。
(切られたところがボロボロになったらちょっと悲しいと思ってたけど、外から見たらなるべく元通りにしてくれるようなので、それならいいな、使えるものは全部使ってくれ、という気持ちになった!)
(あと、今よく考えたら「なんで私の身体の使い方を、近い人だとしても私以外の人の気持ちに左右されねばならぬのだ」と思っちゃうね。臓器も眼球も皮膚も、最後には燃やされちゃうんだから、他の人が生きるのに役立ててもらえるならそのほうがいいな、私は)
特に女性の描き方で「嫌だなー」と思うところが多かったり(女性の医師が職場の人から下の名前で呼ばれているとことか、男性主人公がなんだかよくわからないがもてるところとかね…)、相手の顔を立てるための「政治」描写が多かったりと、現在の私の価値観に照らすと人間ドラマ面ではおすすめできない作品だけど…読んでよかったと思う作品ではあった。
(私は、根回しとか暗黙の掟とかの文化がほんとに苦手なんですわ…。こないだ恋人に教えてもらってみたドキュメンタリーでも改めてそう思った(伝統的な暗黙の掟と戦おうとして、うまくいかない市長のドキュメンタリー)↓)
人工透析とはどんなもので患者さんたちはどんな負担を抱えて日々生きているのか、ということや、医師と看護師の意外な違いについて、医療の進歩のための動物実験についてなどにも触れられていて、勉強になった。
7月10日まではたぶん↓から全巻無料で読めるっぽいので、ご関心あるかたはぜひ。
無料期間終わっちゃったあと&Kindle Unlimited派の方用のリンクも貼っておきますわー↓