螘サンバカーニバル

けそのブログだよ

コンテンツ月記(令和四年、皐月)

2年前にブラジル(リオデジャネイロ)で撮った写真

読んだもの、観たものを、書きなぐりのメモで記録します。完読できてないものも、書きたいことがあったらメモします。すでに長めのレビューを書いてるものや書く予定のものは、基本的に除いてます(…と言いながら、ここで書いてる感想も割と長いんだけど)。


例によって、つい最近読んだり観たものの感想から、しばらく寝かせた感想まで、幅があります。

ほんとはドラマのおすすめについてもっと書きたいのだけど、全然追い付かない~~。フライング(?)で書いとくと、最近観たのや観てるのでおすすめなのは『マインドハンター』(Netflix。実在の犯罪者が実名で出てくる(もちろん本人ではないが)ドラマ。FBIのプロファイリングが確立されるまでを描いた1970年代を舞台にした話。制作総指揮、監督は、『ゴーン・ガール』とかのデヴィッド・フィンチャー)と『THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~』(もとはHuluだったのかな?私はアマプラで観てる。エカチェリーナ2世が嫁いでから皇帝の座に着くまでを描く(たぶん)話、一部実話をモデルにしてる。エカチェリーナの嫌な夫・ピョートル役を、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のニュークス(口にスプレーしゅー-でおなじみ)の人、ニコラス・ホルトが演じてるとこもアツい)です。前置きが長すぎてすみません。

 

==評価基準(特に記載したいときだけ)==
\(^o^)/ 乾杯。愛。最高の毒なり薬。
φ(..) 特別賞(今後思い出すだろうシーン有等)
==ココカラ==

 

今月のお品書き↓

 

■マンガ

今夜すきやきだよ \(^o^)/

とてもとても好きな作品…。
ほんとはもっと長く感想書きたい…。

フリーの内装デザイナーとしてばりばり働いてばりばり稼いでるけど、家事が苦手で結婚できるか不安だと感じているあいこと、家事が好きだけど心細い稼ぎに不安を感じている絵本作家&イラストレーターのともこ。あいこは恋愛体質で、ともこは恋愛への興味が薄い(アロマンティックなのかも)。家事をメインですること(byともこ)と、生活費をメインで出すこと(byあいこ)を交換するという条件で、シェアハウスを始める二人の物語。

ファンタジックな雰囲気もある絵柄も素敵…(受賞おめでとうございます!)。

私もこういう話が書きたい!!!
恋愛関係じゃないけど、「生活ユニット※」を組んでいる、特に女性たちの話が!

※生活ユニットとは、ささきののかさんが『愛と家族を探して』で使ってた言葉。一般的にはよく「疑似家族」として表現される関係性のことだと思うけど、「家族」って言葉を使わないで表現できたほうがいいなーと私は思うから、この言葉が好き。家族が「主」って価値観が私は苦手で、それだけを「当たり前」「ふつう」と押し付けてくる社会を変えたいから。

二人は、そこまで仲良くない友達の結婚式で久しぶりに再会した高校の同級生(学生時代は話したけど、くらいの間柄)なんだけど、その、「特に話や価値観が合う訳じゃない」二人が、「片方がお金多めに出すから、片方がその分多めに家事をやる」について利害関係が一致したってだけで生活をともにすることに決める、ってところがすごく「生活ユニット」でよい。

(でも、ほんとはさ、外注したり(←もちろん外注先で働く人を搾取してないか?確認したうえで)、外食したりすればいいんだから、絶対だれかが食事を手づくりしないといけないってことも、ないはずなんだよね。お金さえあって思い込みから解放されれば、もっと気持ちを楽にして生きていけるはずなんだよね…)

同じことを男女で「結婚」の形でやろうとすると(やろうとするとっていうか、現状は圧倒的にそうしてる人のほうが多い)、望むと望まざるとにかかわらずついてきてしまうオプションが多すぎる。たとえば、片方が(現状、主に女性が)改姓しないといけないこととか。

そう…改姓…。
作品の中には、たった4ページで、生まれ持った名前を変えなくちゃいけないことへの苦しさをぎゅーーーっと詰め込んで表現してるところがあって。

それが読めただけでも、この作品を買ってよかったと思った。

タイトルの通り、食事が大きな柱として据えられている作品で、おいしそうなものがたくさん出てくるところも楽しい。長時間じっくりゆでた肉っておいしいけど、自分じゃやらないから(めんどくさい…)羨ましいなあ。

 

あと、作中で出てくる、生活の中の楽しみをみつけるのが上手なキャラクター・シンタがすごく好きだった。

 

 

■アニメ

ラブ、デス&ロボット(シーズン3) φ(..) 

Netflixで観る。冒頭で書いたおすすめドラマ『マインドハンター』の制作総指揮・監督をしてるデヴィッド・フィンチャーと、『デッドプール』のティム・ミラーが製作総指揮に入ってるということで期待して。

文明が崩壊しかかってたりすでに崩壊してたり、人間が人間以外の何かと争ってたりするディストピアもので、数分〜数十分の短い作品のオムニバス。それぞれ基本的には一話完結なので(キャラが過去シーズンと繋がってるものとかはあるが←シーズン1も一部だけ観た)、気軽に観やすかった。グロ表現頻出なので、苦手な方はご注意あれ。エロ表現もあるので、お子さんにはおすすめできない。

ストーリーというよりも、演出が魅力的な作品がいくつかあった。特に好きだったのが、「彼女の声」という作品。
あらゆる作品がつくられ終わってるこの時代にもこんなに新しい表現ができるのか…!と感動した。音の使い方がかっこいい!!金属音の使い方、特に。編集もすっごくかっこいいの!あんなに画面に引き付けられてドキドキしたのは久しぶりだった。ダンスの可能性について考えさせられる作品でもあった。

 

ふおー---かっこいいー--。あと数回は観たいな。


昔、友達にDVD(そう、DVD…!)を借りてみたアニメのオムニバスを観たときの感動を思い出した。たしか、この作品↓

あと、「小さな黙示録」という作品によって、「エロもグロも遠くから撮ってればなんでも表現できる」という新しい表現方法を知った(これももちろん、アニメだからできることだけどね。倫理観度外視でやっていいという話でもない)。ミニチュア風の世界でゾンビパニックが起きる、スピーディーな作品。


こちらは予告↓

youtu.be

 

■映画

プレイタイム

昔の映画をちょっとずつ観ようと思って、時々手を出してる。

私は脚本家の坂元裕二さんが好きで、彼がこの映画を好きらしいという情報を入手したので、観た。U-NEXT のお試し中に。

英語圏(どこだっけな、アメリカ?)からパリ観光に来た有閑マダムみたいな女性たちと、オフィス街および商品展示場と、突貫工事で無理矢理オープンしたジャズレストラン(?)と、主人公のユロ(軍役経験者?で寡黙という中年男性のキャラ。すいません、疑問符使いすぎで)が絡み合って展開する、シュールなコメディ。

良くも悪くも牧歌的な内容。「見返りを求めず、女性に優しい男性主人公」みたいなキャラ造形にむかつくこともありつつ…、(作中、有名な観光地には行かないけど、それでも)夢みたいな大都会・憧れの街としてのパリが描かれてて、もう決して手に入らない幻を夢で眺めているような、ぼんやりした幸福感に浸りながら観た。特に好きなのが、ガラス張りの家の中が通りから見える、夜のシーン。外国の都会の、夜の住宅たちの雰囲気が私はたいてい好きで、でも身の安全を確保するためにはそういうところをぶらぶらするのは難しいことが多くて、この映画ではそれが好きなだけ観られて嬉しかった。寝る前に観ると、美しい旅の夢が見られるかもしれない映画だ。

ストーリーはゆるい雰囲気なのだけど、役者の動きなどは相当計算されてつくられているようだった。妙にハリボテっぽい空港のセットのシーンとか、目が幸せだった。なんだろうなあ、規則的な工場の動きを見ているときに感じる心地よさと似ている感じ…。人の流れが気持ちいいんだよね…。

商品展示場のシーンとレストランのシーンのギャグに、好きなのが多かった。坂本さんの脚本が好きな人なら好みの方向性の笑いじゃないかと思う。

 

(残念ながらアマプラでは観放題に入っておりませぬ…。タイトルのフォントとかも、入れ方がかっこいい)

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

こちらも坂元裕二さんが好きな作品ということで観た。4時間近くある長い長い映画…。実話を元にしているそう。

(私はU-NEXT体験中に観たのだけど、今は対象から外れてしまってるかも。。。

最初、キャラたちの関係性を把握するのに時間がかかって(結構な数のキャラが物語の冒頭からガンガン出てくる)、まずちょっと挫折しそうになったが、途中からなんとか関係性を把握することに成功した。

まあ、ちょっとあらすじを読んでみてください…。

 

1960年代初頭の台北。建国高校昼間部の受験に失敗して夜間部に通う小四(シャオスー)は不良グループ〝小公園“に属する王茂(ワンマオ)や飛機(フェイジー)らといつもつるんでいた。 小四はある日、怪我をした小明(シャオミン)という少女と保健室で知り合う。彼女は小公園のボス、ハニーの女で、ハニーは対立するグループ〝217”のボスと、小明を奪いあい、相手を殺して姿を消していた。ハニーの不在で統制力を失った小公園は、今では中山堂を管理する父親の権力を笠に着た滑頭(ホアトウ)が幅を利かせている。
小明への淡い恋心を抱く小四だったが、ハニーが突然戻ってきたことをきっかけにグループ同士の対立は激しさを増し、小四たちを巻き込んでいく。。。

『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』公式サイトより引用)

 

人間関係が難解すぎやしませんか?!

でも、観てよかった。

まず、「ハッピーな台湾」…じゃなかった時代のことを知ることができたから(もちろん今だって、何もかも「ハッピー」なわけはないんだけど、日本で語られる台湾ってのんびりしてて幸福度高そうなイメージが主流だよね)。
私は昔台湾の人と付き合っていたことなどあって、なんとなく台湾に思い入れがあるのだけど、台湾の歴史についてはほとんど無知だ…。

日本が降伏して撤退した以降の台湾で、中国共産党(大陸)サイドのスパイが紛れていないかを調べるために、民間の人たちにしょっちゅう尋問など行われていたことはまったく知らなかった。この映画にはそういう、身近にいる人たちを信じられない、疑心暗鬼なぴりぴりしたムードがしっかり反映されている(冒頭、字幕が出て説明もあるんだけど、子どもたちにもそういうムードが伝わっている。机や椅子の足を折って武器にするような喧嘩がしょっちゅう起こっていて…銃もばんばん出てくる。この映画を観てると、「銃刀法って大事なんですね」としみじみ思うよ)。
そういう時代を乗り越えての、今の台湾なんだな…。

あと、「キラキラの理想って、純粋すぎると破滅に向かう可能性もあるよね〜」という、結構身も蓋もない教訓を得られたところもよかった。夢をすべて否定する人も問題だけどね!完璧 or DEADの、グラデーションが存在しない思考はほんとに出口を塞いじゃいかねないからね!!

ストーリーとしては、すっごく面白かった!とは思わなかったけど、キャラ造形で好きな子たちが多かったな。私が特に好きなのは、小柄だけど勇敢で自分より強そうな相手でも友達を助けるためなら向かっていく王茂(あだなはリトルプレスリーで、そこがいい)。ヒロインの小明(劇中、めちゃくちゃモテてる)も唯一無二の素朴なかわいらしさで、これはみんな夢中になりますわ、と納得。ハニーも絶妙なキャスティング&服装だった。

あと、かっこよくて心に残ったシーンがいくつかあった。
ブラバンの演奏をバックに小四と小明が話をするシーンとか、暗闇の中の戦いのシーンとか。

(こちらも、残念ながらアマプラの観放題には入っていません。この↑デザインかっこいい~)