去年実施した世界一周(未遂←新型コロナで途中帰国したので、準備編のタイ・マレーシアと南米数か国しか回れてない)について、noteに記録を書いていたんだけど、
(途中までまとめてるので、ご興味ある方は以下のリンクからぜひ!)
いくつか書き残していることがあって(よく考えると、まだ帰国大変だったよの記事も書き終えていない)、今日はそのうちの一つをあげようと思う。「世界一周なんて、みんな同じルートをなぞってるだけでしょ」と言う人もいるけれど、日本語で読める情報ってまだまだ限られてるし、全然そんなに楽なことじゃなかった。私も先人が残してくれたネット上の情報にたくさんたくさん助けられたので。
ということで、ブエノスアイレスのTierra Santa(ティエラ・サンタ/「聖なる土地」という意味。ちなみに「ラ」は巻き舌)に行った時のことを、もう少し詳しく書く。もうだいぶ忘れてしまっていることもあるけれども…。
(当時(たったの1年前だけどもうずいぶん昔みたいだ)書いた日記は疲れ切っていて、ほんの少ししかこの場所に触れていない…↓)
私がティエラ・サンタに興味を持ったのは、ブロガーのチェコ好きさんのツイートがきっかけだった。チェコ好きさんは、ブログで本や映画もディープなのを紹介されている方だ。
↓チェコ好きさんの訪問記はこちらから読めます。
aniram-czech.hatenablog.com
なるほど…つまり、人形で聖書の場面を再現したりしている場所なのだな。
公式サイトのスペイン語の説明文(をDeepLで日本語訳したもの)を引用する。
ホーリーランド(※)は、ラテンアメリカ初の宗教テーマパークで、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の出会いの場となっています。文化と歴史の架け橋となって、各宗教の風習を表現し、2000年前の古代エルサレムへとお客様をお連れします。
(※けそ注:Tierra Santaのこと。Tierraは"Land"、Santaは”Holy"の意)
タイでも半ば仏教テーマパーク(と呼んでいいのか…)の『地獄寺』に行っていたくエンジョイした私としては、ぜひチェックしたいスポットだ。
(地獄寺については↓の記事を読んでください)
…が、調べてみると、当時泊まっていた宿最寄りのバス停から1時間くらいかかる、つまり往復2時間くらいかかる、ということがわかった。ブエノスアイレス近辺だからと言ってさくっと行けるもんじゃないのか…(1たじろぎ)。しかも入場料がそれなりに高い(たしか2000円くらい?/2たじろぎ)
しかも、ネットで調べる限り、金・土・日の16時~しか開いていないというではないか…(※)。そこから園内を回って帰ってきたら、早くても19時くらいにはなってしまいそうだ。ブエノスアイレスは決して治安が良い場所ではないので、夜はなるべく街を歩きたくないんだけど。不安だ…どうしよう…(3たじろぎ)。
(※)後で、どうやら季節によって開いている時間が違うらしいということがわかった。私は2月に行ったのだが、オフシーズン(?)だったのだろうか。
(※)↑やや歪んでいるけれど、園内でもらってきたパンフレットの写真より、営業時間の情報。
書いてある内容(の適宜言葉を補いながらの訳)は以下の通り。
==
【夏季営業時間】
金/土/日/祝日
・チケット売り場と入場→16時~22時
・滞在可能な時間→0時まで
【冬季営業時間】
金
・チケット売り場と入場→9時~19時
・滞在可能な時間→21時まで
土/日/祝日
・チケット売り場と入場→12時~20時
・滞在可能な時間→22時まで
==
冬季の、金曜日とそれ以外の時間、違いが微妙じゃない!?とか、夏季0時までいられるって、そんなに観るものある!?とかいろいろ気になるところはあるけれど、キリスト教徒だと納得できる何かの事情があるのだろうか。
変更などもあるかもしれないので、もしこれから行くかもという方がいらしたら、事前に公式サイトをご覧になって時間を確認したほうがいいかもしれない。公式サイトのトップページの下部、「HORARIO」と書いてあるところが時間の情報なので、そこをDeepLにかければOK。
でもでも!ブエノスアイレスに行くことは一生にそう何度もないのでは?
19時より帰りが遅くならないように、サクサク回ることにしよう!帰りも駆け足で宿まで帰ろう!だってキリストの復活が観たいんだもん!
…ということで、やっぱり行くことにした。
聖書の知識もほとんどないのだけれど…。
(現地でお会いした日本人旅行者の方を一応おさそいしてみたが、「そこまで興味持てないかもーごめんねー」と断られた…笑)
行き方
貧乏旅行だったので、選択肢はバス一択だった。
(タクシーを使うより、安全そうな気もする。ほとんどのタクシー運転手さんは善良な人だと思うけど、目的地じゃないところに連れていかれてトラブルに遭うって例も聞くには聞くので)
ブエノスアイレスのバスは路線の法則がよくわからないので、完全にGoogleMap頼りである。↑Googleマップでルート検索すると(これは例示のために、私が今年(2021年)調べたもの)、何番のバスに乗ればいいか教えてくれる。
↑複数提案されたルートのうちいずれかをクリックすると、バス停の名前や所要時間をさらに詳しく教えてくれる!便利!
あとはGoogleマップでこの近辺の地図をオフラインで使えるように事前にDLしておくと、バス移動の最中に自分の現在地がどこか調べられていい感じ。ただし、南米のバスで気軽にスマホを出すと盗まれる可能性が高いので、注意して使う方がいい。事前に治安の情報を調べて、バス内で他の人がスマホを使っているかも確認した上で、最低限取り出すのがおすすめ(←誰も使っていないとしたら、現地の人がここでスマホを使うのは危険だと判断しているものと思われる)。
私はこの時、外でインターネットを使える状態ではなかったので、帰りのバスの情報もなんとなく調べておいて、でかけることにした。
以前、noteのガイドブックについての記事でも書いたけれど、主にバックパッカーが行く海外旅行先の場合(=台北とかパリとか、ビギナー海外旅行に選ばれやすい場所「じゃないところ」に行く場合)、日本語で読めるガイドブックとしては『地球の歩き方』が一番おすすめ。公共交通機関の使い方とか、その場所のマナーとか、犯罪実体験レポートとかも詳しく書いてあるから!!
ブエノスアイレスには、ブエノスアイレスだけで使えるチャージ式交通カード・SUBE(スーベ)というのがある。バス車内でチャージする方法も、目的地までの往復でいくらかかるかもわからなかったので(Googleマップでは片道22ペソって書いてあるけど、時間がずれたらここで示されてるのと同じ路線に乗れないかも?そしたら料金が変わるかも?と考えた)、コンビニみたいなところで事前に多めにチャージしておいた。払い戻しできないっぽいから、余分にチャージするのは嫌だったんだけどさ…。たしか100ペソ(当時の物価で200円くらい)を。結局いくらかかったかお伝えできたらよかったんですが…、タッチ画面でよくわからなかったす…(こういう情報が大事なのに、すみません)。目的地付近のバス停のあたりは、こんな景色↓。大都会のブエノスアイレス中心部とは、全然違う雰囲気。
人が少なくて解放感あるけど、ちょっと不安だよ!
【参考】ブエノスアイレスの中心部はこんな感じ↓
いざ!中へ!
最寄りだというバス停で降りた人は私だけ。
ほんとにこのあたりで合ってるのかなー…と思っていたところ。
あ、奥の方に「Tierra Santa」って書いてある。合ってそう。(天使もいるし)
ラクダもいるねえ。
入口。「ようこそ ティエラ・サンタへ」と書いてある。ご覧の通り、あまり混んではいない。入ってすぐ、洞窟のような薄暗い通路を歩きながら、リアル人形による聖書のエピソードの再現の様を観る。徒歩で行く、静止状態の「カリブの海賊」(ディズニーランドの)的な感じ(?)。
アダムとイブかな。アダムの表情と目線が絶妙だな。
たぶん、受胎告知。洞窟を抜けると、何やら暗いホールに出た。
園内、こんなに人がいたんだね…。子供たちも結構いる。
しかし、予想した通り、アジア人(と思しき人)は私しかいない。
何が始まるのか…と思って待っていたところ、キリスト生誕の様子のショーだった。と言っても、先ほどの通路と同様、設置されているのは人形のみ。それも特に動くわけではなく、音声と照明だけで進んでいくショーだった(ナレーションとともに、だんだん暗がりに光が当たっていって、見える人形が増えてくる)ので、なんというか…とても素朴だった。
スペイン語力が低すぎて内容がよく聞き取れなかったので、ショーの途中で出る。
うろうろタイム
私は、大学時代外国語学部(スペイン語)だったとは思えないほどスペイン語力が低く、聖書の知識が乏しいので(何回も書いてますけど、それ全然誇れることじゃないです!)、よくわからぬままにざっくり園内を回る。
キリストの奇跡を目撃したり…。
ああ…痛そうだあ…!
嘆きの壁(の模型)の前に立ってみたり。
十字架を背負っているよ…。
ぐったり…。
臨場感あふれるゴルゴタの丘。
私が一番お気に入りだったのは、ノアの方舟。
なんと、つがいでなくともノアの方舟に乗ることができます!やったね!
方舟内部から見る景色は格別だねぇ。
とか、今は書けるけど、とにかく暑すぎて当時はそれどころじゃなかった。
容赦ない日差しにやられて、早々に帰りたさが沸いてきている。
写真が暗すぎるけど、当地独特のメリーゴーランド。ラクダさんがいる。
全然動いてないけど、いつだったら営業してるんだろう‥土日?
そして復活…?
先ほどのキリスト生誕のもの含め、園内で行われるショーの時間帯は、パンフレットに書いてある。
大本命のキリストの復活についても確認してみると。
↑なんと、一番早くてこれが見られるのは18:50というではないか…ッ!
そんな夜遅くにブエノスアイレスをうろうろしたくないよー!
ケチャップ強盗(※)怖いよーー!!
(※)鞄にケチャップなど液体をかけ、相手がそれを拭きとるのに夢中になっている間に、財布を盗んでいく犯罪。アルゼンチン(特にブエノスアイレス)で多発。私がイースター島でご一緒した旅行者の方も被害に遭ってた。
ダメもとで、その辺にいた係の人に「この時間にならないとないんですか?」と尋ねてみたところ、「〇〇時頃にあるよー」ともっと早い時間になるという情報。
あ、そうなんだ、よかった。その時間まで待つことを決め、比較的涼しい場所に入る。
洞窟風の展示(学校の掲示板みたいにショーケースにガラスカバーがついているのがたくさん並んでいて、写真とか文書とか飾られている)には、聖書のありがたいお言葉がたくさん飾られているのでそれを読んだり…。
(以下、私(with DeepL)によるざっくりした日本語訳)
- 時間 -
幸せになる時間は今です。明日を待つのではありません。
- 変える -
誰もが世界を変えることを考えていますが、自分自身を変えることは考えていません。
(なんて新自由主義と相性がよさそうなお言葉なんだ…。昔はきっと意味を持った教えだったのだと思うけど、現在の日本はむしろこの言説が行きすぎてるよね…)
ローマ教皇の写真とかも飾ってあった気がする。
そうこうしているうちに、係の人が言ってた時間の5分前。これを逃してはならぬぞ!と、早々に現場前にスタンバイしていたのだが…。
待てど暮らせど、全然始まらない…ッ!
たぶん私のスペイン語力が足りなくて、係の彼の言いたかったことがあんまり理解できなかったのだろうな…。やっぱり19時前にならないと、ショーは観られないということなのだろう…。
このシーズンは開園時間も夜型だし、どうしてなの…?
かなり悔しかったけど、帰ることにした。
じゃあな、キリスト…俺がこの地を踏むことはもうないだろう…!
(ここからにょきっと復活するキリスト、見たかったよー!!)
実際に行ってみた感想
正直、「ここまでお金を払って観るものではないかもしれない…」という感じだった(切ない)。というか、私の準備が足りなかった。キリスト教についての知識という意味でも、スペイン語力という意味でも。そこの備えがあったら、もっと楽しめた(という書き方が適切なのかどうかは微妙だが…)かもしれないな。
ただ、定番の観光地を巡るだけでは体験できない空気を吸えたという点で、行ってよかったと思っている。
アルゼンチンの人(の一部)は、お金を出してこの場所に来ているんだなあ。タイの地獄村がそうだったように、きっとここを訪れることで、子供たちに聖書のエピソードを視覚的にイメージさせたりしているんだろうなあ。そういう、教育の一部に宗教が含まれている感覚ってどんななのだろうなあ…ということなどを考えながら、帰路についた。
(ちなみに、予定よりも早く園を出たので、そこまで遅くならずに済んだ。帰りのバスは合ってるのか謎だったけど…行き先を見せてここに行く?と運転手さんに尋ねたのでなんとか帰れたのであった)
おわり。